ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

2015-01-01から1年間の記事一覧

人民元の切り下げの隠れた原因

1週間ほど休暇をとって旅行へ行っていたので遅くなってしまいましたが、先週大騒ぎになった人民元の問題についてコメントしておこうと思います。 1)中国政府の説明は一応筋が通っている。 新聞報道や評論家コメントでは、「中国政府は追い込まれた」、「…

2020年東京オリンピック、2022年北京オリンピックが与える経済への影響

2022年の冬季オリンピック会場が北京に決定しました。2020年には東京オリンピックもありますので、オリンピックが経済に与える影響について簡単にまとめておきます。 1964年の東京オリンピック、1988年のソウルオリンピック、2008年の北京オリンピックなど、…

現在の中国経済を取り巻く状況と日本バブル崩壊時の類似について

中国株が上値が重くなってきました。 そこで、先行きを考えるために、今回は日本のバブル崩壊時と比較してみました。 日本 中国 社会的背景 資産価格の上昇で、恩恵を受けた人(株・ 経済拡大の恩恵を受けた都市住民と地方から 不動産)を保有していた人と、…

理論と相場

ギリシャの公的債務問題について、理屈を説明してきましたが、実際の相場を考えるにあたっては、理屈よりも政治の行方が重要なケースが多くあります。 それは、かなりの確率で間違った政策が採られる(望ましい政策が実行されない)ことの裏返しとも言えます…

ギリシャが緊縮策を受け入れる意味

今回は、緊縮策継続を受け入れたギリシャ経済の行方について考えたいと思います。 ギリシャの公的債務問題のポイントは、債権者が海外であることです。 債権者が国内の民間部門であれば、政府は徴税権をもっているので、増税で解決を図ることも可能ですが、…

ユーロに関する前FRB議長のブログ

前FRB議長のバーナンキ氏が、本ブログの5/13の内容と同様のことをブログに書いているようなので、ヤフーの記事を紹介しておきます。 大きな利益を得るドイツと被害者ギリシャ(5/13のブログ) http://blogs.yahoo.co.jp/invester_nd/39871600.html <前FR…

ギリシヤのユーロ離脱で起きること

今回のブログでは、ギリシヤがユーロを離脱するとどうなるかを考えてみたいと思います。 とりあえず今回のごたごたでは、ギリシヤがこれまで同様の緊縮策を受け入れてユーロ圏諸国の支援を受けることになりそうですが、反緊縮で国民の意思が明確になっている…

結局ぶれないドイツの一人勝ち

先日のブログで報道がおかしいということを指摘しましたが、フランスがスタンドプレーで情報操作をしていただけだったようですね。 それも、目的が自国の利益ではなく、政治家個人の名誉欲とは、、 ギリシヤはそれに振り回されて、結局、元の木阿弥という感…

中国株式の始まりの終わり

先週も中国の株式市場は大荒れでした。 6月末から中国政府が様々な対策を発表したのに、すぐに下げ止まらなかったことで、逆に効果なしとされて大きく売り込まれる局面もありました。 しかし、よく見ていると、7/4あたりから強力な対策も出され始めており、…

ギリシア問題の報道がおかしい

引き続きユーロとギリシア問題について考えてます。 週末なので改めて1週間分の報道内容を振り返ってみて思ったことが2点あります。 1点目は、ギリシア問題の報道が非常に偏っていることです。特に現状維持(ギリシアの緊縮策受け入れ、ユーロ残留)にバ…

「始まり相場」「本格相場」「終わり相場」

6/30のブログで、1年~数年続く相場を見る際の、3つのステージに分けた見方を紹介しました。 「始まり」相場・・経済危機などの可能性を市場参加者が感じ取って変動する相場 「本格」相場・・材料が本格的に消化され、大きなトレンドとして動く相場 「終わ…

ユーロ(ギリシヤ問題)、中国株について

○ユーロ(ギリシヤ問題)について 今週、ギリシヤ問題は、ユーロ離脱へ向けて一歩進み出すと思いましたが、実際の動きは逆へ振れているようです。 欧州諸国の説得(おどし)によって、事前の世論調査で国民投票で賛成(支援プログラム延長のための条件受け入…

「終わりの始まり」と「始まりの始まり」

私は、1年~数年続くような大きな相場の流れを見るとき、3つのステージに分けてみます。 「始まり」相場・・経済危機などの可能性を市場参加者が感じ取って変動する相場 「本格」相場・・材料が本格的に消化され、大きなトレンドとして動く相場 「終わり」…

現在の政策の解釈と株価の推移

今回は、これまでの解釈の枠組みを発展させて、望ましい政策と現在の政策をどう解釈すれば良いか、そして現在の政策がどのように相場に影響を与えているかを考えてみたいと思います。 先に結論を言うと、現在の政策はかなり理想に近いと思います。ただし、ア…

アベノミクスの第三の矢は間違っている

本日は、潜在成長率について考えます。 まず、潜在成長率の定義について確認してみると、辞書には以下の説明が書かれています。 「インフレやデフレになることなく、中長期にわたって持続できる潜在的な国内総生産(GDP)の伸び率」 インフレやデフレにな…

日本の失われた20年について改めて考えてみる

前回6月15日のブログで、日本はインフレ抑制の政策で高度成長期にうまくいった成功体験が、失われた20年の政策運営に影響していると説明しました。 なぜその成功パターンが通用しなくなったのか、というのが今回のテーマです。 理由として主に以下の二つが…

経済政策運営のパターン その3

5/17、5/31に続いて「経済政策運営のパターン」の第三弾です。 5/17のブログで経済政策運営のパターンとして以下の4通りをあげました。 1)失業率を極力低くし、完全雇用を目指す政策運営 2)物価の安定を優先させた政策運営 3)外需を活用して経済の発…

経済政策運営のパターン その2

最近仕事が忙しくて、ずいぶん時間が空いてしまいましたが、5/17に続いて「経済政策運営のパターン」の第二弾です。 前回、国ごとの経済政策運営のパターンとして以下の4通りをあげました。 1)失業率を極力低くし、完全雇用を目指す政策運営 2)物価の安…

成長戦略として投資ビザを創設すべき

5/22(金)の日本経済新聞 経済教室の、エズラ・ヴォーゲル『国会戦略の立案力向上を』という記事の冒頭で以下の内容があった。 「自分の国はうまくいっているかと日本人に尋ねると、大抵の人は否定的な反応をし、同じ質問を中国人留学生にすると多くは肯定…

週刊ダイヤモンドの特集「投資の鉄則」7カ条 がひどすぎる

本日、週刊ダイヤモンドの特集を読みました。 初心者も経験者も必見! 「投資の鉄則」7カ条があまりにもひどすぎるのでメモしておきます。 まず第一条から。 「長期保有が前提なら投資はいつ始めてもいい」って、一般投資家をなめているんじゃないかと思い…

経済政策運営のパターン その1

国の経済政策の是非を判断する場合、個々の政策をみるのではなくそのContextの中で判断する必要があります。 たとえば、量的緩和による中央銀行の国債大量購入の是非を判断する場合、単に景気対策のために日銀が国債を購入して財政支出を増やすだけだといず…

投資に勝つ考え方

昔、金融機関でトレーダーをやっていた時、よく以下のようなパターンを見かけました。 1,000万円で買う⇒1週間後:1,150万円に値上がりする⇒その後、ジリジリと下げに転じる⇒1ヶ月後に700万円ぐらいまで下げてロスカットする。 こんな時、ほとんどの人(プロ…

ギリシア問題の解決方法

ユーロシリーズの第三弾です。 みんなはっきり言いませんが、現在のユーロの問題を解決するのは簡単です。 過去のソブリン問題もほぼ全て同じ方法で解決してきました。 通貨の切り下げと金融緩和(輪転機)による失業率の引き下げ(生産リソースのフル稼働)…

大きな利益を得るドイツと被害者ギリシア

再び通貨ユーロについて考えて見ます。 昨日のブログに書いたとおり、ユーロ圏は30%をドイツ経済が占めており、独仏で半分、伊西蘭で85%となります。 さらに、本日の日経新聞に「ドイツ1強」「存在感の薄れる仏」と出ているとおり、ドイツの政治力が抜き…

通貨ユーロについて考える

ユーロについて考えてみた。 ユーロとは、欧州19カ国の経済通貨同盟で用いられている通貨のことである。 ユーロ導入国のGDP比をみてみると、ドイツ30%弱、フランス20%強で独仏両国で半分を占める。ついで、イタリア16%、スペイン11%、オランダ6%でこ…

欧米流の長期投資は日本では通用しない

投資理論、経済理論を利用する場合に心に留めておかなければならないことは、理論そのものが与えられた一定の経済・産業基盤を基礎に創り出され発展したものということ、さらに、その基盤は不変でないということである。従って、一つの理論がいつまでも適用…

マクロにこだわる

ファンドに関する過去の研究で、アクティブファンドの大半はインデックスファンドに勝てないという結果がでています。 アクティブファンドとは、投資の専門家が成長しそうな企業を時間をかけて探し出し投資をしているファンドです。一方、インデックスファン…

アメリカと中国

あまり語られていませんが2014年にPPPベースのGDPで中国がアメリカを抜いています。今後10年ぐらいで純粋ドルベースでも中国が世界1位になる可能性が高いと思います。 そうなったときに、米中の関係はどうなるのでしょうか。中国が世界の覇権を握ると…

はじめまして

最近、財政赤字の行く末を研究しています。 結論で思っていることは以下の2点です。 ①変動相場制ではデフォルトになる可能性は極めて低い 自国通貨建ての国債は、中央銀行(日本銀行)が引き受ければ必ず償還できます。 外貨建ての国債も、日本銀行が引き受…