ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

「始まり相場」「本格相場」「終わり相場」

6/30のブログで、1年~数年続く相場を見る際の、3つのステージに分けた見方を紹介しました。

「始まり」相場・・経済危機などの可能性を市場参加者が感じ取って変動する相場
「本格」相場・・材料が本格的に消化され、大きなトレンドとして動く相場
「終わり」相場・・根本解決に向けて政策が動き、それに伴て変動する相場。根本解決するということは、外科手術的な政策が伴うことも多く、相場の振れは大きくなりやすい。

今回は、これをもう少し詳しく説明したいと思います。


(1)「始まり」相場

「始まり」相場の始まり方はいくつかのパターンがありますが、典型的なパターンとしては、①突然の報道(問題の発覚、政策変更など)、②構造変化を確信した大口投資家の仕掛け、③材料への反応が鈍くなったことに不安を抱いた零細投資家の利益確定売りが徐々に大きな動きとなり、材料探しが行われる、の3通りです。

問題を正確に認識している人がほとんどいないことが「始まり」相場の特徴のため、先行きへの見方が交錯して相場が荒れることが多いです。また、予想外の事実の発覚に狼狽した投資家の動きで一方に大きく振れて行き過ぎるパターンも散見されます。

いずれにしても、ボラティリティが大きいのが特徴で、新しく出てきた材料の全容が明らかになって相場に織り込まれたところで終了します。


(2)「本格」相場

すでに認識された事実が、実際に経済に影響を与えるようになり、その規模がみえてきたところで相場に織り込まれるのが「本格」相場です。

投資家のポジション調整などから多少の振れを伴うものの、投資家の間に情報格差は小さいことから、振れの度合いは「始まり」相場や「終わり」相場より小さくなります。他方、継続期間は最も長く、ジリジリとしたトレンドを形成することが多いです。

情報格差が小さく、ボラティリティも小さいことから、「本格」相場が継続している間は、相場の予想が最も容易で、所謂エコノミストが活躍しやすい環境といえます。実際にポジションを張っている投資家は、含み損を抱えていると相場が戻って欲しいとの願望が入るので、「本格」相場でも相場の予想をはずすことがありますが、ポジションを張っていないエコノミストなら予想は容易です。


(3)「終わり」相場

「終わり」相場は、それまでの相場を形成してきた要因(材料)の変化で始まります。大抵の場合は、危機等に対応した政策変更によるものです。

他方j、時間の経過で危機が解消される場合もあるため、「終わり」相場がない場合もありえます。

うまく政策が対応できて、ソフトランディングになる場合は、「終わり」相場は大きな波乱なく、短時間で終了します。他方ハードランディングの政策が選択された場合、当初はランディングできるかを疑う見方が多いため、相場は荒れ模様となります。また、そのまま次の「始まり」相場へ移行する場合もあります。

なお、「本格」相場の期間が長いほど、ハードランディングになる傾向があります。




一般的に言って、相場をみる重要なポイントは以下の3点を見極めることですが、相場をステージに分けて見る意義は、これらの見極め(特に2番目と3番目)が容易になることです。

【相場をみる重要な3つのポイント】
・材料が実態経済、又は金融面へ与える影響
・市場参加者の見方・ポジションの偏り
・今後の政策動向