ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日銀のこだわりと担保不足

昨日の話の続きです。 CPの話をする前に指摘しておきたいことがもう一つありました。 それは、1990年代後半の日銀は、①資金供給は金融機関(または国)に対してのみ行うこと、②民間の金融機関へ資金供給する際には必ず担保をとること、②担保として金融機関の…

1990年代後半の金融システム不安を振り返る

先日書いたCPオペの話の続きです。 今回は、CPオペを積極活用せざるをえなくなった背景について説明したいと思います。 ポイントとしては2点あります。 1つ目は1990年代初めのバブル崩壊後、日本の金融機関が多額の不良債権を抱えて信用に問題があるとみな…

政策に限界はない

最近の、金融政策が限界とか、日銀には打つ手が限られているとかいう話をよく聞きますが、政策の限界という関連で久しぶりに、1998年のCPオペのことを思い出しました。 振り返ってみるともう20年近く前のことなので覚えている人も少ないと思いますが、当時は…

投資教育への大きな誤解

8/24の大機小機で「日本株が上がらない理由」というコラムが掲載されています。 このコラムの中に、 ・長期的に株価上昇を続けている企業がある。 ・そのような(利益率の高い)企業へ投資すれば成果を得られる ・(従って)投資家が徹するべきは企業を選ぶ…

追加の金融緩和余地はまだまだある

日銀の金融緩和に限界説が唱えられています。その根拠に日銀の保有する国債が、全体の発行残高のかなりの割合(3分の1超)に達していてこれ以上増やせないというのがあります。 ちょっと前になりますが、日本経済新聞が2016年6月18日付で『国債保有、日銀が3…

効果的な金融緩和策

最近日銀の金融緩和策が限られているかの話が多くなっています。 何度も繰り返しているように、そんなわけ(金融緩和手段がないわけ)はありませんが、ここでひとつだけ私のお気に入りの案を挙げておきます。 (2000年代初めのデフレ期に金融機関の調査部で…

金の価値と貨幣改鋳から見えてくること

先日、綱吉時代の勘定奉行、萩原重秀が『貨幣は国家が造る。がれきでもかまわない』と言ったのは正しいかったと書きましたが、その際にひとつ書き忘れたことがありました。 それは、金自体が単なる石の一種で、化学的に考えればがれきと大差ないということで…

終戦時のインフレについて考える

今回は終戦時のインフレについて考えたいと思います。 何度か書いているように、終戦時に急激なインフレが繰り返し起こっています。特に敗戦時にはインフレ率が高くなります。 この終戦時のインフレを理解するためには、戦争中からの連続で考えることが必要…

日経新聞の連載『日本国債』について

先週、日本経済新聞で『日本国債』という連載をやっており8月14日(日)は「敗戦後、失われた預金」「財政・金融 一体化に警鐘」という題でした。 http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040009_T10C16A8MM8000/ 内容は以下のとおりです。 1)(第二次世界…

マイナス金利も量的緩和も国民の努力の支えという裏付けがある

8/8(月)の日本経済新聞1面の日本国債に関する特集記事「政府と日銀 危うい蜜月」の中で「日銀がつくり出したマイナス金利は『まるで打ち出の小づち』」とのあるエコノミストのコメントが載っています。 このエコノミストは典型的な御用エコノミストで、言…

賃金引上げを促す政策は消費の減少を促す政策

8月2日にIMFが日本の経済政策に関する報告を公表し、アベノミクスの改善点として、企業に対して賃金の引き上げを促すような政策の導入などを求めました。 また、アベノミクスがうまくいっていないことを主張する流れで、企業が利益を溜め込みすぎて実質賃…

物価と賃金の問題について考える

先週(7/26)の日経新聞の「経済教室」欄で、「物価はなぜ上がらないのか」というお題で日銀関係者のH氏が論文を書いています。H氏は、一般にはあまり知られていないと思いますが、金融業界のエコノミスト村ではかなり有名な方で、私は1990年代~2010年頃に…