ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

追加の金融緩和余地はまだまだある

日銀の金融緩和に限界説が唱えられています。その根拠に日銀の保有する国債が、全体の発行残高のかなりの割合(3分の1超)に達していてこれ以上増やせないというのがあります。

ちょっと前になりますが、日本経済新聞が2016年6月18日付で『国債保有、日銀が3分の1超す 買い取り限界説も』なんて記事も載せていました。

記事の中で、2018年中に50%に達するとの試算も紹介されています。

それでも半分残っているのですが、どうして増やしてはいけないのでしょうか。

同記事によると、『中曽宏副総裁は9日の記者会見で、大量の国債購入で「流動性が低下している」と発言。市場の安定に配慮して金融政策を進める考えを示した。』

だそうですが、どうして流動性の低下に配慮しなければならないのでしょうか。

また、この記事では指摘されていませんが、金融機関は担保目的として一定程度日本国債保有する必要もある(例えば、2016年6月27日の国債投資家懇談会の議事要旨より)ため、その分の市場残高を残しておかなければならないとされています。

強力な金融緩和に否定的な人は、すぐに副作用としてこれら(流動性の低下や日本銀行保有割合が大きくなりすぎなど)をあげますが、はっきり言って25年以上も続いた経済の低迷をどうやって脱却するか、って観点で考えたときに国債市場の流動性とか、担保目的の国債がなくなるなんてことは瑣末な話です。

一時的に日本国債流動性がなくなっても、社債等の有価証券を扱う証券会社や銀行などがなくなるわけではないので、(金融緩和の効果が浸透して日銀が日本国債を放出し)再び市場に出回るようになればすぐに金融機関は体制を整えて売買を始めるので流動性は回復します。もちろん数日ってわけにはいかないと思いますが、数ヶ月もあれば準備可能だと思います。日本国債の売買なんてそんな特殊なものではないですから。

日本国債の残高がなくなっても金利市場としてSWAP市場や金利先物市場、そしておそらく日本国債デリバティブの取引も残ると思いますので、あまり心配する必要はないと思います。

繰り返しますが、日本国債流動性の心配をする前に日本経済の低迷やグローバルな視点での日本企業のプレゼンスの低下の心配をすべきって話です。

また、担保目的の保有についても、日本国債がなくなれば、代わりの有価証券やあるいは預金をそのまま保証金などとして預ければよいのです。全然たいした話じゃありません。

国債売買の仲介会社には財務省や日銀から天下りが行っていることや、仲介会社や国債ディーラーをたくさん抱えて商売している金融機関の雇用の問題が日本国債の市場残高がなくなると大変!と言っている人たちの本音と思っています。

権威ある人が主張したり、新聞などに書かれている常識の多くは、そんなものだと思います。

私は、現在以上に日本国債の買い入れ額を増やすことが効果的な追加の金融緩和策とは思っていませんが、為替の介入をやりたくない(やれない)、不動産なんか買えないというのなら、日本国債を全部買い取っても良いんじゃないですか?できないのは常識に囚われてできないと思い込んでいるだけですよ、というのが今回の趣旨です。