ndtm50の日記

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投資教育への大きな誤解

8/24の大機小機で「日本株が上がらない理由」というコラムが掲載されています。

このコラムの中に、

・長期的に株価上昇を続けている企業がある。
・そのような(利益率の高い)企業へ投資すれば成果を得られる
・(従って)投資家が徹するべきは企業を選ぶ眼力の鍛錬である

との内容が書かれています。

このコラムに限らず、企業を選ぶ眼力を養うことが重要で、それを養うのが投資教育と考えている人も多くいます。


しかし、これは大きな誤解だと考えます。

紹介したコラムのように、いつの時代にも勝ち組企業は存在し、そのような企業は高い利益率を維持して株価も上昇を続けています。

従って、そのような企業をみつけて投資すれば儲かるというのは一見正しいようにみえます。

しかし、後から言うのと実際にやるのは大違いです。


経済が低迷する社会において、高い企業を見つけ続けるのは本当に現実的でしょうか。

日本の高度成長期や2000年代の中国のように急成長する社会においては利益率の高い企業を見つけるのはたやすいです(選んだ企業が高い成長を実現する確率が高いため)。

しかし、失われた20年とか25年とか言われる日本で、高い成長率を維持してきた企業の数はそれほど大きくなく、そのような企業に集中して投資できた投資家は少ないはずです。(つまり確率が低い)

そして、確率が低いということは、教育とか鍛錬とかで実現できるようなものではないことを意味しています。


本来、投資理論は確率論をベースに構築されてきました。

投資理論を正しく理解すれば、確率の高いもの、利益の期待値が高いものを選んで投資することが重要であり、そう考えれば、まずはマクロ経済動向を正しく理解し、企業が成長する確率が高いのかを判断することが先決だと考えます。

実際に、(調査に時間と金をふんだんに使っている)アクティブファンドですら長期収益率が、市場の価格指数に勝てないということは常識的になっていることは、勝ち組企業を見つけることの難しさを示しているものと思います。

コラムの作者や投資教育において高い企業を見つけることを重視する人は多いが、そのような人は自分でまともに投資したことのない所謂「評論家」か、たまたま大ブレイクした企業に投資したことのある一発家かのどちらかだとしか思えません。