日銀のこだわりと担保不足
昨日の話の続きです。
それは、1990年代後半の日銀は、①資金供給は金融機関(または国)に対してのみ行うこと、②民間の金融機関へ資金供給する際には必ず担保をとること、②担保として金融機関のリスクが関わるものは認めないこと、に強くこだわっていたことです。
これができると、A銀行が発行した債券を担保にB銀行へ貸すということができるのですが、そうすると金融システムへ日銀がとるリスクが大きくなりすぎて日銀の信用力が毀損するリスクがあるということです。
銀行の発行するものは担保として認めませんが、事業会社の発行する手形・債券は担保として比較的基準は緩く運用されていました。金融機関の信用力に、担保としての事業会社の信用が加われば合せ技で一本なので、それぞれの技(信用力)のキレは多少鈍くても構わないということです。
さて、話を戻すと、短期の金融市場で金融機関どうしの資金の融通ができなくなり、資金仲介に日本銀行が入るようになると大量の担保が必要になります。(それまでの短期金融市場は無担保が原則だったのが、日本銀行からの資金調達は有担保のため)
そこで国債に代わる担保として事業会社が比較的容易に発行可能なCPが注目されたのです。