ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

理論と相場

ギリシャの公的債務問題について、理屈を説明してきましたが、実際の相場を考えるにあたっては、理屈よりも政治の行方が重要なケースが多くあります。

それは、かなりの確率で間違った政策が採られる(望ましい政策が実行されない)ことの裏返しとも言えます。


今週の日経新聞で交渉の舞台裏について特集していますが、その内容やこれまでのチプラス政権の言動・行動を見ると、チプラス政権には、ユーロ離脱といった高度に注意が必要な政策を実行する能力がないようにみえます。

この点、日本の民主党とそっくりにみえます。

日本の民主党は、東日本大震災の時に政策実行能力、特に危機発生時の対応能力に大きな問題があることを露呈してしまいました。特に原子力発電所の事故の問題について、パニックを防ぐため(という目的を言い訳)に、本当の事実を隠蔽し、根拠のない楽観的な見通しを公表し、実際にはかなりずさんな対応を行っていました。

今回のチプラス首相の楽観的な見通しに関する言動や、実際の行動は、東日本大震災時の民主党政権とそっくりだと思います。

逆に、アジア通貨危機時のマレーシアのマハティール首相などは、欧米のネガティブキャンペーンに全くぶれず、通貨の大幅引き下げ、資本規制、金融緩和とかなり有効な手段を的確に打っていたと思います。(そういえば、アジア通貨危機時の橋本政権もひどかったですね。)


私の見方が正しければ、今後の展開について以下の可能性が高いように思います。
1)現在のチプラス政権が続く限り、言葉は勇ましく、行動は何も行わない(現状の継続)
2)民衆は、当面は政権の巧みな言葉を信じ続けるが、一旦、その言葉を疑い始めた場合には極端に振れる
(真逆の政策を求めるようになる)

近い将来、緊縮策への反対、ユーロ離脱を意識した世論の動きが盛り上がるのではないかと思っています。