ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

2016-01-01から1年間の記事一覧

補足:日銀が強力な金融緩和をしてるのに効かない理由

先日、「日銀が強力が金融緩和をしているのに効かない理由」を書きましたが、重要な内容を書き漏らしてしまったので補足しておきます。 それは、資産価格(株価・地価など)の実体経済へ与える影響が非常に大きいということです。経済の自由化、時価会計の導…

日本の高度経済成長の要因と政府の役割についてあらためて考えてみた

少し前に日本の高度経済成長についてあらためて調べてみました。 日本の経済政策はずっと酷い状態が続いているのに、昔はすばらしい経済政策が実行され高度経済成長が実現したなんてことがあるのだろうか、もしあるとしたらどうして変わってしまったのか、と…

経済原理を完全に無視しても言い方がうまければ評価されて力を持つ日本という社会

昨日は朝から日経新聞を読んでいてずっこけてしまいました。 7/8(金)付の日経新聞(マーケット総合2ページ)の大機小機の吾妻橋氏のコラムで「ほぼ完全雇用なのに所得が増えない状況にあるのは、経済成長の制約条件が需要不足よりも供給制約にあるためだ」…

日銀が強力な金融緩和をしてるのに効かない理由

きっと相場音痴(死語?)の黒田総裁を初め、現日銀執行部、政権関係者は、どうして大幅な金融緩和策をとっているのに株価がどんどん下がって円高も進むのかわかっていないと思いますので、簡単に書いておこうと思います。 まず、政府・中央銀行というものは…

経済学を無視する民進党とリーマン危機の教訓を無視する現政権

先日、所得格差拡大が経済へ与える影響について書いたら、本日(7/6)の日本経済新聞の『党首遊説録』という記事に民進党の岡田代表が「分配することが成長につながる。格差の拡大を放置するような今の安倍政治じゃダメだ」と演説しているとの記事があったの…

イギリスのEU離脱・アメリカのトランプ現象の根本要因

イギリスでEU離脱派が国民投票で勝利し、アメリカではトランプ大統領候補がたくさんの支持を集めてきました。 これらの原因について、日本国内では情緒的な内容で語られることが多いように思いますが、表面的な感じがします。これらの現象は、世界経済の大き…

投資主体別売買動向からみえる先週の投資家の動き

急落した先週の株式市場の投資部門別売買動向が6/30(木)発表されました。 新聞(日経新聞マーケット欄)には、「外国人株売り越し 2週連続」との見出しがついていましたが、よく見るとちょっと意外な結果だったのでご紹介しておきます。 ( 単位 タンイ …

見るだけ話すだけでは相場は変わらない

先週末から緊急会合を開いて市場の動向を注視って、日本の政治家・役人は見ることと話すことしかできないようですね。躊躇なくっていうのは言葉だけで、実際には躊躇しまくっていますが、現在の市場の動きが投機的、急激な変動ではないというのでしょうか。 …

英国のEU離脱が経済へ与える効果

イギリスの国民投票でのEU離脱派勝利を受けて、イギリス経済が今年度後半から失速するとの予想が増えているようです。 しかし、この手の政治的な理由での予想があたったものを見た記憶はあまりありません。 むしろ、ポンドが急落していますから、イギリス経…

日本の市場解説はおかしな話ばかり

昨日のブログで「素直な心で現実をよく見る」ということを書きました。 その例を1つ。 先週までの大幅な株価下落は、英国のユーロ離脱問題によるリスクオフが原因とされています。 しかし、5月末から先週末までの株価の騰落率をみると、 英FTSE指数:▲3.4%…

汚れきった人ほど「素直な心」を強調する

引き続き、日本経済新聞の大機小機からの話題です。 本日の大機小機は、隅田川氏の「素直な心で考える経済政策」でした。 趣旨は、難しい議論を横に置き「素直な心」で政策を評価したらどうかということでした。 例として以下の3つがあげられています。 ・…

「財政赤字の本質」論にみる日本経済低迷の背景

2016年6月16日の日本経済新聞の大機小機に「政府債務の本質」というコラムが掲載された。 この程度の内容で「本質」として大手新聞に掲載されるのが日本経済の長期低迷をもたらした「本質」だと思えてならない。 コラムの要旨は以下のとおりである。 (1)…

日米同盟は本当に日本のためになっているか

今年に入ってからの円高が株価・景気に悪影響が明確であることから、政府・日銀は為替介入をしたくてうずうずしていますが、できずにいます。(但し、先日書いたとおり、本当はできないわけではありません。) その理由はアメリカに反対されているからです。…

6/16の金融政策について

既にいろいろなコメントが出ていますが、いまのまま行って、どのように考えたら2%のインフレが実現できるのだろう。政策の一貫性、これまでの説明との整合性、経済学の論理的帰結、まともに考えたら緩和しかないです。 やはり財務省出身の黒田総裁も嘘つき…

潜在成長率はインチキ(2)

前回「潜在成長率」について書いてから少し時間が経ってしまったので、忘れないうちにまとめておこうと思います。 「潜在成長率」とは、がんばって高い経済成長を実現しようと努力したときに、長期的に実現可能な経済成長率のことです。 人間の生活(活動)…

原油需給の改善スピードは一般に言われているよりはるかに早くなる可能性あり

2/10のブログで書いたように原油ETFと資源国通貨(主にカナダドル)を買っています。 株式市場は、陰の極になると予想した2/10には底打ちとならず、2/12に急落して底をつけ、その後も戻りが弱い状態が続いていますが、今のところ2/12の下値を上回って推移し…

財政危機と教育問題のかかわり

そういえば消費税率の引き上げ見送りも記事になっていますので、財政問題について簡単に触れておきたいと思います。 日本の財政赤字が巨額になっており、このままいけば破綻が避けられないという人は多いですが、どうして長期にわたって金利が低下し続けてい…

潜在成長率と成長戦略と教育の問題

潜在成長率について、批判的な立場から詳しく書こうと思っていたら、14日(土)の日本経済新聞の大機小機欄にカトー氏が同じような趣旨の内容で書いていました。 内容的に経済学の知識がないと理解しにくい高度なものでしたので、そのうちもう少し噛み砕いた…

潜在成長率はインチキです

最近、新聞でいくつか潜在成長率に関する記事を見かけたのでコメントしておこうと思います。 潜在成長率とは『中長期的に達成可能な経済成長率』とされ、生産活動に必要な要素をフルに使った場合に、GDP(国内総生産)を生み出すのに必要な供給能力を毎年ど…

アメリカの立場で日米同盟を考える

前回のブログでアメリカが近い将来に防衛ラインをハワイ・グアム・豪州へ下げることを予想しましたが、その理由を補足しておこうと思います。 まず、一般論として海外に軍隊を駐留させる主な目的は以下のとおりです。 1)植民地経営による直接的な利益を得…

日米安保は近い将来に消滅する可能性が高い

いろいろ批判されていますが、米国の次期大統領候補のトランプ氏の主張は結構まともなものが多いです。 中でも「日本や韓国などの同盟国に駐留経費の全額負担を求める」というのは、かなり本質的なポイントをついていると思います。 もともと、10年ぐらいの…

成長戦略ってなんだろう?

GW後半で少し時間ができたので昭和の経済史などを少し調べてみましたが、高度成長期も含めて成長戦略がまともに機能したことは過去ないのではないでしょうか。 産業の高度化(資本化)が遅れた発展途上国が、先進国の産業を模倣をした成長戦略を実行して特定…

為替誘導に関するコメントの追加

為替の115-120円の誘導が無理ではないか、また、円の水準は日本の利益に関係ないのではないかというコメントをいただいたので、前回の内容に補足しておきます。 まず、為替115-120円の誘導が無理かどうかですが、確かに政治的には無理に見えると思います。し…

日本は為替介入すべき~しないのは政治家・官僚の無能の表れ

誰も言っていないようなので、為替介入について書いておきます。 現在、もっとも望ましい政策は、強力な為替介入で1ドル=115円に誘導させることだと思います。 為替が115円で安定すれば、日本の主力産業である製造業の採算が改善し、利益見通しから株価も…

昨日の金融政策据え置きをみて思ったこと

昨日の金融政策決定会合で、日本銀行が金融政策を据え置き、株価が暴落し円が急騰しました。 小難しい解説はいろいろされていますが、こういう時はなるべく客観的に事実を並べてみるのが良いと思います。 1)黒田日銀の政策は目標とするインフレ率の2年以内…

マイナス金利政策は筋の悪い政策

金融市場の混乱がなかなか収まりませんが、その要因に日本銀行が1/29に決定したマイナス金利政策が筋の悪い政策だということが挙げられると思います。 元来の金融政策とは、金融緩和(easing)、金融引き締め(tightening)という言葉で表されるように、 マ…

陰の極

本日(昨日)、10年国債の金利がマイナスをつけました。 これを買った人は、これから日銀の金融緩和で短期金利のマイナスが続くから、小幅マイナス金利の10年国債は投資先として魅力的と思った、、なんて訳はありません。 10年国債がマイナスになったのは…

誰も触れない年初からの株価下落の原因の核心

新年あけましておめでとうございます。 昨年11月ぐらいから本業の仕事が忙しかった上に、すでにポジションが軽くなってやることもなかったので、今年1回目のブログがだいぶ遅くなってしまいました。 ただ、相場は大荒れになっていますので思っていることを…