ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

日米安保は近い将来に消滅する可能性が高い

いろいろ批判されていますが、米国の次期大統領候補のトランプ氏の主張は結構まともなものが多いです。

中でも「日本や韓国などの同盟国に駐留経費の全額負担を求める」というのは、かなり本質的なポイントをついていると思います。

もともと、10年ぐらいの間に米国は中国との直接の対決を避けるためにハワイ・グアム・オーストラリアのあたりまで防衛ラインを下げるのではないかと考えていましたが、たとえトランプ氏が次期大統領にならなくても、近い将来において何らかの動きが出ることを想定に入れておく必要がでてきたと思います。

そもそも、①核弾頭を積んだ大陸弾道ミサイルが大量にあり、②搾取的な植民地経営が難しく、また、③経済的な結びつきが深まり軍事対立が互いの利益にそぐわないことが明らかである現代において、多額の防衛費をかけて仮想敵国の近くまで勢力圏を維持することは、非合理的な政策になっています。

つまり、米軍にとって、今後仮想敵国となるであろう中国の近くにある日本・台湾・フィリピンを勢力圏にとどめる(この地域において中国を上回る軍隊を駐留し続ける)ことは、米国自身が得ている利益(その地域に反米テロリストが基地を作りにくいこと以外にほとんどない)と比較して費用がかかりすぎているのです。

同地域が米国軍の勢力範囲になくても、中国の勢力圏の中で平和が維持され、現状程度に経済取引の契約が守られていれば、米国企業の利益は守られているし、同地域で働く米国人の安全も確保できます。

それに対して、自民党の石破氏による「恐らく日米安保保障条約を読んだことがないのではないか」「同盟の本質の無理解に基づいている」「日本の平和と独立のためだけにいるのではない。アジア・太平洋地域の平和と安定のためにいるもので、米国の国益でもある」との発言が報道されていますが、こっちの方がよっぽどピントがずれています。日米安保保障条約の内容を云々言う前に、何が日米双方の国益かをよく考えた方が良いです。

石破氏の発言は、(トランプ氏の主張が的を得ているために、)認めるわけにはいかないことからの発言と信じたいですが、そうではなく、トランプ氏が日米安保を分かっていないことをあきれての発言なのでしょう。むしろ、今から米国軍がハワイまで防衛ラインを引いたときの日本の防衛政策のあり方を考えていかなければならないのに、と思います。

想定外ですますことがないように、もっと戦略的に先を読んで準備を進めて欲しいものです。