ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

為替誘導に関するコメントの追加

為替の115-120円の誘導が無理ではないか、また、円の水準は日本の利益に関係ないのではないかというコメントをいただいたので、前回の内容に補足しておきます。
 

まず、為替115-120円の誘導が無理かどうかですが、確かに政治的には無理に見えると思います。しかし、

 

1)中国は日本よりはるかに大きな債権を積み上げながら、それ以上の介入で10年以上の期間、実力より人民元安の水準に為替を誘導してきました。

 

2)以前このブログに詳しく書いたことですが、自国通貨の防衛は外貨を売って自国通貨を買いますので、外貨が枯渇すれば失敗しますが、自国通貨の切り下げは(経済的には)無制限に発行可能な自国通貨を売るわけですから、いくらでもできます。

 

前述したように、無理にみえるのは政治的な問題のため政治判断次第だと思います。そのため政治家の能力の問題と言っているのです。

 

3)自国通貨の水準で、その国の産業競争力が大きく左右されます。構造改革の問題のように言われますが、産業競争力を決める要素は構造改革以外にもたくさんあり、為替はその中でも大きな影響力を与える重要なファクターです。戦前の金解禁問題の時から、経済に倫理を持ち込むのは日本の悪い癖だと思っています。

 

短期的にはともかく、長期的には日本の産業力が日本の利益に大きく作用すると思っています。日本の失われた○年は、この点を軽視して構造改革(政治構造改革、産業構造改革、教育改革、、)ごっこをしていたために起きた問題ではないかと思います。