ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

日銀が強力な金融緩和をしてるのに効かない理由

きっと相場音痴(死語?)の黒田総裁を初め、現日銀執行部、政権関係者は、どうして大幅な金融緩和策をとっているのに株価がどんどん下がって円高も進むのかわかっていないと思いますので、簡単に書いておこうと思います。

まず、政府・中央銀行というものは、金融商品の価格を(短期的には)どのような価格にすることもできる能力を持っています。資産デフレで下がっているのであれば、紙幣を刷って買えばよいのです。

ヘリコプターマネーなんてやったら大変なことになる、なんて禅問答のような議論は忘れてください。紙幣は紙です。いくらでも印刷できます。紙幣の数で測る価格は、(短期的には)紙幣発行権を持つ中央銀行が何とでもできます。

そして、市場参加者は、少し先の未来を予想して投資します。

つまり、政府・中央銀行が本音としてどのような価格体系を目指しているのか、そのためにどの程度の行動を行うかを考えます。

黒田日銀総裁は、(恐らく自分でも認識がないと思いますが、)株価を上げるつもりも円安にする気もありません。もう少し正確に言うと、自分では株価は上がって欲しい、円は下がって欲しいと願っていますが、そのために行動する気は極めて弱く、金融緩和の副作用は、、なんていう世間の評価ばっかり気にしているのだと思います。

昔から本の虫らしいですから、他人の意見・理論ばかり勉強していて、本当の意味での自分の考えはないのでしょう。官僚を長くやった人に多いタイプです。


このブログで何度も指摘しているように、消費税率上げ(5→8%)の後、景気低迷が長期化することや、円高が生産活動の減少を通じて景気を押し下げることはもっとずっと早く分かっていたのに、黒田日銀が金融緩和を行ったのは、経済統計に経済の悪化が表れたずっと後のことでした。
(経済統計は2ヶ月程度集計にかかりますから、これを見た上で判断すると手遅れということになりがちです)

つまり、投資家の立場からみれば、黒田日銀総裁は他人の評価ばかり気にしているのか、または、失業率が下がり有効求人倍率が(過去からみれば)高水準なのでこのままで十分と思っているのか、いずれにしても、自分のコミット(インフレ2%の実現)を本気で行うようには見えません。(実際に市場が混乱してもみてるだけです)

現在の金融緩和が強力かどうかなんて関係ないのです。問題は日銀のゴール(真の目標)です。

そのような状況でリスクをとるのはただのギャンブルですから、どんどん資金が引き上げられて、株価はずるずる下がることになります。

黒田日銀総裁は、早く自分がうそつきであることに気が付くべきです。行動を改めるには、現実を認識することから始まりますから。