補足:日銀が強力な金融緩和をしてるのに効かない理由
先日、「日銀が強力が金融緩和をしているのに効かない理由」を書きましたが、重要な内容を書き漏らしてしまったので補足しておきます。
株価はファンダメンタルズを反映して決まる、って考えている人は多いと思います。実際、投資理論の本や雑誌をみるとそのように書かれています。
これも事実ですが、株価がファンダメンタルズを決めるっていうのも事実ということです。
そして、株価がファンダメンタルズを決める度合いがどんどん高まっており、ファンダメンタルズが株価を決めるというより株価がファンダメンタルズを決めると言った方が正しいレベルになっています。
つまり、日銀が強力な金融緩和を行って、実体経済が改善すればいずれ株価も上がるはず、って思っている人は古い人です。
恐らく、日銀、経済官庁のエコノミストのほとんどはそう考えていると思います。
しかし、これは誤りといって良いレベルになっているのです。
さらにもう一つ重要な事実があります。それは、株価の経済へ与える影響は加速していくということです。発散過程といった方が分かりやすいかもしれません。これを理解するには、以下の説明をみてください。(現在の相場の説明でもあります)
日銀が金融政策によって株価を上げたいのか、維持したいのか、興味ないのかを投資家が考えます。
日銀が株価に興味がないと判断した投資家が、投資を引き上げ始めます。(利益がでないから)
そうすると、株価は下がります。この時点では実体経済に悪影響が出ていないので割安とのコメントが多く聞かれます。しかし、株価が下がると経済は悪化します。ファンダメンタルズが悪化しますので株価は割安ではなくなります。そうなると、割安だと思って買った投資家が売り始めます。それで株価が下がるとファンダメンタルズはもっと下がります。これがスパイラルになって止まらなくなります。(これが発散過程です)
こうしたスパイラルをとめるには、日銀がアクションを起こして投資家の期待を変えなければなりません。
現在の政策が強力だといくら口で言ってもだれも信じません。