米国株の現状を考える
8月は、トルコを初め経常収支の悪い新興国からの資金流出などの波乱もありましたが、米国株式は相変わらず堅調で、8月最終週には、S&P 500が久しぶりに最高値を更新しています。
これらの動きをみて、やはり米国経済は強く、米国株は今後も堅調に推移するだろうという見方が増えているようです。
そこで、少し国際比較をしてみました。データ元はネットで適当に調べたものであり、若干怪しいものもあります。また、時期も最新のものばかりではなく、過去1年ぐらいのものも含まれていますが、確認が面倒なのでそのまま使用しています。いい加減で申し訳ありませんが、全体感をつかむのは、これぐらいアバウトでも十分と思いますのでご容赦ください。
これは3つの可能性で説明することは可能です。
2つ目の可能性は、経済が成熟化したアメリカは寡占化が進んでおり、また寡占企業の多くが上場しているのに対し、新興国では中小企業が多く上場も進んでいないため、上場企業が経済に占めるシェアが低い可能性です。
しかし、最近急成長している新興国では、外国からの技術導入した一部企業が経済を牽引する傾向があり、その可能性は低いように感じます。
3つ目の可能性は、アメリカでは資本主義が徹底しており、付加価値(=GDP)のうち労働者へ配分される分が少ないため企業に留保される利益が大きくなり、付加価値(=GDP)に対する企業価値が大きくなることです。
※ GDP ≒ 最終消費支出 + 総資本形成 + 純輸出
≒ 雇用者報酬(賃金) + 営業余剰(企業利益) + 固定資本減耗(減価償却)
このほかにも、アメリカ企業(経済)は競争力が高いとか成長性が高いといった理屈をつける人も多いと思います。しかし、アメリカのGDP成長率はかなり低くなっており、海外で大きな利益を上げない限り、この理屈は成立しません。(海外で大きな利益を上げる場合は、私が挙げた1番目の要因になります)