ndtm50の日記

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覇権を決めるもの

本日の日経新聞のDeep Insight Opinion欄に、『「通商」の衣着た覇権争い』という記事が載っています。

題名を見て、「お!」と思ったのですが、内容は「米国がねらうのは、中国のデジタル覇権の阻止」「ハイテク超大国をめざした産業政策を後退させ、米国に追いつくのを阻むつもりだろう」との内容でした。

ハイテク・デジタル分野でアメリカが断トツに進んでいるので、簡単には覇権は移らないと思っている人は多いのでしょう。

しかし、日本のハイテク企業の競争力が失われた原因を考えれば、デジタル分野だけ競争力を保つのは困難であることが分かると思います。

日本のハイテク企業は円高による競争力低下に対応して生産工場を海外に作る一方、マザー工場を日本に残して研究開発・技術力を維持しようとしました。しかし、市場や生産現場を持たない研究開発が競争力を維持するのは極めて困難です。

生産現場からのフィードバックや、製品化したうえで消費者の反応を反映することで研究開発が促進されるためです。

すでにハイテク分野においても主要工場は中国に移っています。マーケットとしても中国が世界一の市場になりつつあります。インターネットの利用者数をみれば、今後の新サービスの出現はアジアが中心になる可能性が高いと思います。Googleの中国再参入はそうした危機感の表れではないかと推察されます。検閲反対などと言っているうちに、技術力で中国に逆転される可能性があるのです。

競争力を取り戻すために生産現場アメリカに戻そうというトランプ政権の取り組みは正しいと思います。(トランプ大統領が競争力回復を狙っているとは思いませんが)

しかし、すでにアメリカが再び中国を逆転するのは難しい局面まで来ているだろうという事実は直視すべきだと思います。

参考に、過去のGDPを推計したものを見つけたので載せておきます。これを眺めると、過去の覇権の移り変わりや戦争での勝敗が、ほぼ経済的な側面で決まることが分かります。日清戦争日露戦争などの例外もありますが、これは当時の清やロシアが内部分裂状態にあったことが要因と思います)

なお、覇権が交代するときに起こることについて、そのうち、まとめたいと思っていますが、歴史書によれば、通貨下落・インフレとなっています。

ドルの評価については何度か書いていますが、現在の相場は基軸通貨プレミアムが大きく織り込まれているので注意しておいた方が良いと思います。

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