転換点
本日の株価下落の原因はトルコリラの下落とされていますが、それだけではないと思います。
相場下落の背景は、①アジアなどの新興国でインフレ率が危険水準に近づいていること、②スマホ需要の頭打ちと仮想通貨の低迷によるマイニング需要の減少で半導体投資がピークを迎えているとみられること、③(インフレ圧力の高まりから)米国、欧州に続いて日本でも金融緩和からの修正が始まっていることなどです。
日本では根強いデフレ圧力が強調されていますが、世界的には(実は日本でも)着実に物価上昇圧力が高まっています。失業率が低下し、求人倍率が高まっていることから賃金の上昇が始まっています。日本でもGDP統計でみると雇用者所得が前年比+4.3%と伸びています。
これは、金融市場の動揺に対して、中央銀行が機動的に動いてくれない可能性を強く示唆しています。(セントラルバンカーは、慌てて金融緩和に踏み切ってインフレを惹起することを最も嫌うため)
日本はオリンピック前の建設需要のピークまであと1年あることや、安倍政権が続いている限り株価下落を放置してまで金融緩和の修正を行う可能性が低いことから、お盆中で板が薄い中で慌てて下をたたく必要はないと思いますが、今回は相場の転換点になることを意識しておくほうが良いと思います。