ndtm50の日記

ブログ5年目に突入!

今週の金融市場の見方

トランプ氏の大統領選勝利が決定した直後にまずはドル高是正の誘導を予想しましたが、これまでのところ全く逆になってしまっていまいました。個人資産的には日銀の強力な金融緩和を踏まえたポジション(株ロング、円ショート[ドル以外の通貨に対して])をキープしていますので、フォローになりましたが。


さて、今週の相場は以下のように語られているようです。

1)トランプ氏が大統領選出が決まってから話のトーンを変えたので過激な行動は慎むとみる向きが増え、リスクテイクの動きが出た

2)議会選での共和党勝利を受けてねじれが解消し、財政支出増(インフラ投資、減税)の蓋然性が高まり、ドル長期金利が上昇し、ドル高となった。

3)同じく財政支出増による米景気の盛り上がり期待から、株価が高値を更新した。


一見もっともな感じですが、非常に違和感があります。その一番の要因は株価です。

株価決定理論から言えば、長期金利の急上昇やドル高(による企業収益の低下)は株価引き下げ要因になります。

民主党政権がよく行われた手口として、口先介入や他国の介入要因などによってドル高に誘導し、それによって金利を抑制して株高を演出するとうものがありました。しかし、今回は金利上昇がドル高の要因になっており、金利を抑制できていません。

そして金利上昇が起こっているのは、財政規律の緩みや国内景気の過熱による金融引き締めスピードが速まることを懸念してのものですから、株式市場はこれに敏感になってもおかしくないところですが、全く無視して、金融機関の業績改善期待や景気が盛り上がることにだけ目が行っています。これは、バランスを失った不安定な状態と感じます。

そう考えると、トランプ氏勝利から今までの相場の動きは、予想外の結果に対してのポジション調整や、今後の政策の不透明感が市場の動きを混乱させたものであり、各市場(金利・為替・株)の整合性も失った状態といえます。従って、当面は少し引いた目で市場のセンチの変化を観察すべきと考えます。